リーディングラインとは?
リーディングラインとは、絵画や写真をみたときに自然と目がむかってしまうところまでの道案内的な線のことをいいます。
鑑賞者へのおもてなしです。
写真に写っている線が一点に向かっていたり被写体に向かっていたりすることで、写真内の情報がスッキリします。
全く違う2つの作品なのに、なんとなくシンパシー感じませんか?
- 天井の線が、中心へむかっている
- 扉の上部分が、中心へむかっている
- 12使徒の視線や身振りが、中央へむかっている
といった具合に、イエス・キリストへ視線をむけさせるためのいろいろな細工が、意図的にえがかれています。
ダ・ヴィンチの最後の晩餐はホントに優秀な絵画で、多くの〝技〟がふんだんに取り入れられているのです。
- 被写体が、中心であること
- キリストの後ろに外が見える部分をかいて、明暗差を強調していること
- テーブルの手前に箱?みたいなものを描いて、主役の幅を強調していること
なども意識的にえがかれています。
角をさける構図
アーティストのなかには、視線を〝角〟へむけさせないような構図をえらんでいる人がいます。
キャンバスをイメージしてください。
キャンバスは四角形です。
深く考えなくても四角と判断したのは角が4つあるからです。
絵や写真を見たときに無意識に捉えている4つの角は、どのような作用があるでしょうか?
それは、角はとがっているので視線の出口になりやすいのです。
作者は少しでも長く作品を愛でてほしいもので、なるべく視線を角から外側へ流させないようにして、鑑賞時間を引き延ばそうとしているのです。
- 空の天使たちが、中心をねらっていること
- 下側一帯を、暗い雰囲気にしている。
- 下の天使の腕を右上へ、視線はまんなかへむかっていること。
このように、角に向かう視線を内側へ戻そうとする働きがえがかれています。
すべての作品が角の作用を意識したものではありませんが、「そういう作品もあるんだなぁ~。」ぐらいのスタンスで覚えておくと、写真撮影にも影響するかもしれません。
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