なぜ夕日はオレンジ色に?太陽の位置と大気の関係がポイント!

夕方がなぜオレンジ色なのかについてまとめました。

色との関わりが深い〝空〟ですが、ふとこんなことを思ってしまったのです。

「夕方って何でオレンジ色なの?」

それは、太陽の位置と大気との関係です。

  • 太陽光線
  • 大気
  • ちり
  • 波長

これらの特性がわかっていないと、理解はむずかしいです。

自然の理解は一筋縄ではいかないということです。

優秀な天気予報士でも天気外しますしね。


太陽の光には、6種類の波長がある

〝太陽光線〟

世界を照らしている太陽から放たれたのことです。

太陽から放たれる光には、6つの種類があります。

6種類の電磁波
  • ガンマ線〈Gamma Rays〉
  • X線〈X-rays〉
  • 紫外線〈Ultraviolet rays〉
  • 可視光線〈Visible light〉
  • 赤外線〈Infrared〉
  • 電波〈Radio waves〉

これが太陽光線の正体で、電磁波ともいいます。

僕たちが住んでいる地球には、電磁波の影響をうけてしまう場所があります。

それは、電気がたまりやすい場所を電場といい、磁気の力がたまりやすい場所を磁場といいます。

電磁波とは、電場と磁場の影響を受けながら流れる波のような状態のことで、波の山と山〈上部↔上部〉・谷と谷〈下部↔下部〉の幅を波長といいます。

上部の波長と下部の波長

この6種類の電磁波のなかで、人間の目で認識できる波長が、1つあります。

文字どおりの可視光線〈カシコウセン〉です。

他の電磁波は、人間の目では認識できない波長なのです。

スマホでのやりとりは電波ですが、そこら中に飛びまくっているはずの電波って見えないじゃないですか。

ガンマ線・エックス線は、そもそも地上に到達しにくいので、認識以前の問題です。

紫外線は、人間の目では認識できないですが、日焼けというかたちで人間に影響しています。

地上にしっかり降り注いでいるといえます。

「人間が世界を認識できるのは可視光線に照らし出されているからで、同時にちがう波長の紫外線で肌を焼いている」というのが、ビーチでの環境です。

肌を焼きたくないのなら、日焼け止めクリームを塗るじゃないですか。

日焼け止めに〝UVカット〟ってかいてあるのは、〝Ultra Violet〟からきています。

電磁波には、波長ごとに名前が割りふられているのです。

6つの電磁波が太陽から地球にむかってくるのですが、地上に降り注ぐ比率に差があります。

  • 紫外線:7%
  • 可視光線:47%
  • 赤外線:46%
  • その他:微量

紫外線・可視光線・赤外線は、地上に到達しているのに対して、ガンマ線・X線・電波はほとんど地上に届いていません。

それは、大気が大きな壁となっているのです。


大気とは、窒素と酸素のバリケード

ロケットの発射などで、〝大気圏を突破して宇宙に到達〟とか、〝隕石が大気圏に突入〟とか聞いたことありませんか?

大気圏は、地球と宇宙のはざまにつつまれている空気の層です。

みえないバリケードで、大量の粒子が地球の周りを覆っているのです。

大気の比率
  • 窒素:78%
  • 酸素:21%
  • アルゴン:1%
  • 二酸化炭素:0.03%

ほとんど窒素と酸素です。

地球をとりまいているこれらの成分が大気の正体です。

そして大気には階層があります。

  • 0km~約11km
    対流圏〈たいりゅうけん〉
  • 約11km~約50km
    成層圏〈せいそうけん〉
  • 約50km~約80km
    中間圏〈ちゅうかんけん〉
  • 約80km~約500km
    熱圏〈ねつけん〉
  • 約500km ~
    外気圏〈がいきけん〉=宇宙

この対流圏〈0km〉~熱圏〈500km〉をひとまとめにして大気圏と呼んでいます。

〝隕石が大気圏を突破〟というのは、宇宙からやってきた石ころが、地球の重力に引っ張られて、地上500km以内に入ってきた、ということなのです。


大気となっているのは、大量のちり〈エアロゾル〉

0km~500kmの間には想像を絶するほどの、大量の粒子ちりがあります。

粒子とは、窒素・酸素・アルゴン・二酸化炭素のことです。

ちりとは、雲となるのに必要なエアロゾルのことをいいます。

ふとんを畳んだり、砂をなげたりすると、光加減で見えたり見えなかったりします。

ほこりとちりの違いは、〝1粒のサイズの違い〟なのです。

ほこりとちり
  • 1粒が見える
    →ほこり
  • 1粒が見えない
    →ちり

地球を覆いつくすほどのちりは、こんなかんじです。

地球のちり
  • 海の蒸発
    →海塩粒子
  • 砂ぼこり
    →土壌粒子
  • 噴火
    →粉塵
  • 車や工場
    →汚染粒子
  • 植物や花
    →花粉

目に見える粒子もありますが、見えない超微細なちりは空気より軽く、上空に舞い上がり、大気の仲間入りを果たします。

舞い上がったちりたちは、高度を高めるにつれて冷やされます。

上空で冷やされた粒子やちりに水蒸気がくっつき、重くなり落ちてきたものをといい、急激に冷やされて固まったものをといいます。

  • 地上0km~500km間の大気には、大量のエアロゾルがある。

ということなのです。


夕方がオレンジ色にみえる理由

私たちが生活している地上に、太陽光線が到達するということ。

  • 太陽から放たれた6つの電磁波が、大気中にいるエアロゾルや酸素などの粒子に接触してきたが、なんとか地上までやってきた。

ということなのです!

逆にいうと、地上に到達できない電磁波もある、ということになります。

  • 太陽から放たれた6つの電磁波が、大気中にいるエアロゾルや酸素などの粒子に接触したり吸収されて、地上に到達できなかった。


ともいえます。

ビリヤードって、自分が打ち込んだボールが他のボールにあたると、スピードや接触した角度によって、いろんな方向へ向かうじゃないですか。

大気中は、超ビリヤード状態ということです。

波長が短い光は波の間隔がせまいので、粒子やエアロゾルに当たりやすく、波長が長い光は波の間隔が広いので、当たりにくいというのも大きな特徴です。

  • 大量の粒子やエアロゾルと接触しながらも、なんとか地上まで届いた。

奇跡的な確率で地上まで届いた可視光線は、届いている波長次第で認識できる色が変わります。

  • 0.38μm以下でやってきた光
    ➝紫外線なので見えない
  • 0.4μmでやってきた光
    ➝紫に見える
  • 0.5μmでやってきた光
    ➝青に見える
  • 0.6μmでやってきた光
    ➝黄緑に見える
  • 0.7μmでやってきた光
    ➝オレンジに見える
  • 0.78μm以上でやってきた光
    ➝赤外線なので見えない
  • 0.7μm前後の波長でオレンジに見える

あとは位置関係を理解するだけです。

太陽の位置が変わると、光が地上にたどり着くまでの時間が変わってきます。

  • 日中より夕方の光の方が、地上にたどり着くまでに時間がかかる

まとめです。

  • 太陽の位置が昼間より遠くなり、光が大気を通過する際、日中よりも粒子とエアロゾルに接触してしまう確率が増えてしまった結果、0.7μmの波長が届き、オレンジに見える

極小世界のちり事情。

夕方がオレンジに見える理由というだけで、これだけの事象が一致しないと、夕方はオレンジに見えないのです。