伝統と歴史の足跡!富士山周辺の浅間神社めぐり!

2023.6/22、富士山周辺にある浅間神社巡りにいってきました。あいにくの天気は雨。当然湿気も多いのでついには富士山を一度も拝借できませんでした。

当初は1日で10ヶ所を巡る予定でしたが、時間との兼ね合いで6ヶ所で断念。前提としてカメラが趣味というのがありますので、事前に撮影ポイントを押さえたうえで考え抜いたプランです。

今回の失敗を備忘録として、それぞれの神社の歴史とともにここに残します。


富士浅間神社10ヶ所巡りは、6ヶ所巡りへ!

1日で1~6までしか達成できませんでした。

当初の予定をクリアできなかった明確な理由は3つあります。

  • 時間
  • 距離
  • 体力

時間

レンタカーで巡っている以上、返却予定時間がありますので遅れるわけにはいきません。

返却時間に加えて時間的な理由として忘れてはならないことに、参拝可能な時間帯があるということです。

開門時間はだいたい9:00~16:00と記載されているのですが、御朱印やお守りなどの購入に関してはという意味合いで、参拝自体は24時間できるところもあるのが実態です。もちろん山門が閉まって入ることができない神社もあります。

ちなみに、1.河口浅間神社は朝の6時台、2.富士御室浅間神社は朝の7時台に参拝してきましたので、常時参拝可能な神社です。規模が大きい神社〈浅草の浅草寺・鎌倉の鶴岡八幡宮・代々木の明治神宮など〉は基本的に常時参拝可能ですので参考までに。

距離

富士山を車で一周すると、一般道を標準速度でだいたい2時間程度かかります。

ですので、1ヶ所あたりの撮影時間を30分程度にすると、ギリで10ヶ所くらいかな?という予定の組み方をしていましたが、きれいに裏切られることとなります。体力です。

体力

目的地に向かってお目当ての撮影をしたら次!という意気込みをもって挑んだものの、見事にへばりました。主な理由は神社のサイズ感です。

3.新倉富士浅間神社は山中に開かれた神社ですので、軽い登山をすることになります。
4.北口本宮富士浅間神社は一通りめぐるには1時間ほどかかるのでは?という広さです。

予想以上の大きいサイズ感に体力と時間を消耗することとなり、当初の目標は達成できませんでした。

次回は、時間・距離・体力を鑑みて、4ヶ所程度をまったりと撮影するスタイルにしようかなとおもいます。


河口浅間神社

864年の平安時代に富士山の大噴火が起こり、1つの湖であった剗ノ海〈せのうみ〉が埋没するという甚大な被害がありました。大量に流れ出た溶岩に埋もれなかった部分が、現在の西湖〈さいこ〉と精進湖〈しょうじこ〉です。これを機に、富士山の神である浅間明神を河口浅間神社に奉斎し、富士山噴火の鎮祭を執り行いました。

河口浅間神社はこのような歴史的な背景を持つ神社であり、富士山と人との結びつきを象徴しています。遥拝・修験・登拝という信仰形態で富士山への敬意を示し、神聖なる結びつきを築いてきました。木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉を御祭神としてお祀りしています。

河口浅間神社では、歴史と文化的な重要性に触れるだけでなく、厳かなる日本の伝統と神々しさを感じることができます。この神聖なる場所で静かに時を過ごし、美しさと神秘性に魅了されるでしょう。

〈御祭神〉
  • 浅間大神〈あさまのおおかみ〉
  • 木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉
2023年のご神事・祭事
  • 1/14:筒粥祭〈つつかゆまつり〉
  • 4/25:孫見祭〈まごみまつり〉 例大祭
  • 7/28:太々御神楽祭〈だいだいおんかぐらさい〉
  • 7/31:身曽岐流し〈みそぎながし〉
  • 11/23:献穀祭〈けんこくさい〉

富士御室浅間神社

富士御室浅間神社は、武田信玄公による祈願所としても知られています。富士五湖を取り囲む美しい風景の一角、河口湖畔に鎮座しており、富士山を崇拝する武田家三代にわたって敬われた神社です。

富士御室浅間神社は本宮と里宮の二つの拠点からなります。本宮は富士山中に位置し、富士山最古の社として知られています。699年には藤原義忠公によって霊山富士の二合目に奉斉されました。一方の里宮は河口湖に面しており、喧騒と離れた静寂の中で歴史を感じることができます。

御祭神は木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉であり、花祭りは4/25・例祭日は9/9に行われます。本宮は富士山最古の社であると同時に最初に勧請された神社であり、その歴史と伝統を守っています。富士御室浅間神社は富士山の神聖な存在を背景に歴史と信仰が融合した場所なのです。

〈御祭神〉
  • 木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉
2023年のご神事・祭事
  • 1/1:歳旦祭
  • 2/11:建国記念祭
  • 4/25春季大祭・はな祭
  • 4/29:流鏑馬〈やぶさめ〉
  • 7/1:大祓式
  • 9/9:秋季大祭
  • 11/15:新嘗祭〈しんじょうさい〉
  • 12/31:師走大祓式

新倉富士浅間神社

807年に富士山の噴火がきっかけで、朝廷からの使者により富士山鎮火祭がおこなわれました。この際、当時の天皇である平城天皇から3つ奉納されたものがあります。
「三國第一山」という山号・金幣〈きんぺい〉・破魔宝面〈はまほうめん〉です。

平城天皇から奉納された3つのもの
  • 「三國第一山」という山号
  • 金幣
  • 破魔宝面

神社やお寺は山のふもと・中腹・頂上に開かれることから、神社やお寺の名前のほかに山号で呼ばれることもスタンダードでした。山号とは、山岳信仰という宗教領域の部分で「山には神が宿る・山そのものが神である」といった概念を崇める人々から、神社仏閣名のほかに山の名前を神化した呼び方が広がったとされています。

「三國第一山」という山号を平城天皇からいただくと同時に、天皇自ら筆をとり額縁に山号を執筆されたものが荒倉山に伝わる大鳥居の勅額です。

金幣とは、神事さんがお祓いのときなどに使う神様への貢物をささげるために使われる神具です。通常は御幣〈ごへい〉と呼ばれていますが、当時の天皇陛下である平城天皇から奉納されたものであることから豪奢に振る舞い、御幣に金箔をはりつけたものが奉納されたということです。

破魔宝面とは、破魔矢のお面板です。「破魔」とは読んで字のごとく悪いものをとりはらうことですので、魔物を追い払う矢ではなく、防衛の意味合いを込めて面を奉納しました。

〈御祭神〉
  • 木花咲耶姫命 〈このはなさくやひめのみこと〉
  • 大山祗命 〈おおやまづみのみこと〉
  • 瓊瓊杵尊 〈ににぎのみこと〉

2023年のご神事・祭事
  • 4/19:例祭

北口本宮富士浅間神社

古代より、「神」として畏怖されてきた富士山を拝む場所として発展した「北口本宮富士浅間神社」は、富士山信仰の中心地として歴史を刻んできました。この神社は「富士講」と呼ばれた方々との隆盛とともに整備拡大され、富士山の噴火を鎮めるための祈りが行われてきたのです。

「富士を拝み、富士山霊に帰依し心願を唱え、報恩感謝する」というわかりやすい教えが広まり、江戸時代から昭和初期にわたりつづいた庶民の信仰は、富士山信仰の中でも重要な位置を占めていました。代表的な信仰の形として、富士山を参詣し、その後に本宮冨士浅間神社に参拝することが行われていました。

富士講として知られる町ごとの信仰グループは、富士山への参詣を通じて修行や信仰を深めるために様々な活動を行っていました。その中には、富士山周辺の八社を巡る「富士講八海巡り」という修行も含まれており、信仰の一環として重要な役割を果たしていました。

このような修行や信仰の実践を通じて、富士山への敬意や感謝の気持ちを深めることが重要視されていました。庶民の間で広まった富士山信仰は、富士山の存在が人々の生活や文化に深く結びついていることを示しています。

富士山の信仰と深く結びついた北口本宮富士浅間神社では、日本武尊が東方遠征の折に大塚丘から遥拝し、大鳥居を建てて祠を建立したことが始まりとされています。この神社は、木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉・天津彦々火瓊瓊杵尊〈あまつひこひこほににぎのみこと〉・そして大山祇命〈おおやまづみのみこと〉といった神々が祀られています。

〈御祭神
  • 木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉
  • 天津彦々火瓊瓊杵尊〈あまつひこひこほににぎのみこと〉
  • 大山祇命〈おおやまづみのみこと〉

北口本宮富士浅間神社は、富士山を信仰する人々の心の拠り所として、その存在と力強い信仰心が広く讃えられてる神社なのです。


2023年のご神事・祭事
  • 1/1:歳旦祭
  • 2/3:節分祭
  • 5/4~5/5:例大祭・初申祭〈はつざるさい〉
  • 7/1:開山祭
  • 8/26~8/27:鎮火災・吉田の火祭り
  • 9/10:閉山祭
  • 11/23:新穀感謝祭
  • 12/31:大祓式

東口本宮富士浅間神社

802年に富士山が噴火をしたため、須走に斎場を設け鎮火の祈願をしました。その結果、噴火が収まったと伝えられ、鎮火祭の跡地に社殿が建てられました。

江戸時代には、東口登山道である須走口登山道の本宮として、須走村〈現在の駿東郡小山町須走〉の宿場町とともに栄えました。

明治維新後、最初は村社として位置づけられましたが、1887年に県社に昇格しました。2007年には御鎮座1200年を迎え、記念事業の一環として社務所の2階には富士講や社宝などを展示する記念資料館が設けられています。

東口本宮富士浅間神社では、木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉・大己貴命〈おおあなむちのみこと〉・彦火火出見命〈ひこほのほのいでみのみこと〉を主祭神としてお祀りしています。これらの神々は、古代から富士山信仰に深く関わっており、地域の人々や参拝者から厚い信仰を受けています。

木花咲耶姫命は絶世の美女といわれる美貌の女神であり、自然の豊かさや生命の息吹を象徴しています。大己貴命は国造りの神であり、豊穣や繁栄をもたらす存在として崇められています。彦火火出見命は火の神であり、火災や災害からの保護を祈願する際に頼られています。

これらの御祭神をお祀りすることで、東口本宮富士浅間神社は富士山の豊かな自然と共に、人々の安全や幸福を祈り続けています。参拝者は静かな心をもって神々の御加護を受けることができます。

〈御祭神
  • 木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉
  • 大己貴命〈おおなむちのみこと〉
  • 彦火火出見命〈ひこほほいでみのみこと〉
2023年のご神事・祭事
  • 1/1:歳旦祭
  • 2/3:節分祭
  • 2/17:祈年祭
  • 5/4~5/6:例大祭
  • 6/30:夏越大祓〈なごしのおおはらえ〉
  • 7/10:富士山須走口開山式
  • 9/10:富士山須走口閉山式
  • 11/15:七五三詣合同祭
  • 11/23:新穀感謝祭
  • 12/31:年越大祓

須山浅間神社

須山神社は相殿〈あいどの〉です。
相殿とは、1つの神社に複数の神様を祀ること。

須山神社の主な神様は木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉ですが、ほかに4体の神様が須山浅間神社に祀られているということです。

主祭神
  • 木花咲耶姫命〈このはなさくやひめのみこと〉
相殿
  • 天津彦火瓊々杵命〈あまつひこほににぎのみこと〉
  • 天津彦火々出見命〈あまつひこほほでみのみこと〉
  • 大山祇命〈おおやまづみのみこと〉
  • 天熊大人命〈あまくまうしのみこと〉

須山浅間神社は須山口登山道の起点となる神社です。鳥居や参道などを含む境内全体は、御神木とされるスギの一群に覆われており、神聖な雰囲気に包まれています。

須山口の登山道は当時の富士登山者にとってはメインともいえるルートでした。
ところが、1707年に大噴火したことで登山道の中間部分が吹き飛ばされてしまいます。

その後は勝田家のご助力により登山道が復活することで、1800年には5398人の登山者がいたと記録されています。

1889年には東海道新幹線が開通したことによる影響で、人が集まる場所が御殿場へとシフトし、須走口の登山者が減少していくこととなってしまいました。

1912年には旧陸軍の演習場として活用するべく登山道が撤廃されて、須山口は廃道となっています。

復興の着手へとむかったのは最近で、1997年に須山口登山歩道・1999年に須山口下山歩道が完成することで、現在の須山口となっていったのです。

2023年のご神事・祭事
  • 1/1:元旦祭
  • 4/17:春祭り
  • 7/1:開山式
  • 8/31:閉山式
  • 11/23:秋祭り
  • 12/31:大祓式〈おおはらえしき〉